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採用ノウハウ退職代行定着・リテンション広島

退職者の7人に1人以上が利用。広島の中小企業が「退職代行」急増時代に採用・定着で向き合うべきこと

2026年10月2日

「スタッフが突然、退職代行業者からの連絡一本で辞めてしまった」という相談を、業種を問わず受けることが増えています。退職代行サービスの利用者数は年間推計で10万人を超えるとされ、2019年頃の年間約3万人程度という推計と比べて5年ほどで3倍以上に増加しました。直近1年間に退職した人のうち、マイナビの2024年調査では16.6%、別の2025年調査では14%程度が退職代行を利用したと回答しており、退職者のおよそ7人に1人以上が利用している計算になります。今回は、この退職代行急増という流れを踏まえて、広島・中四国の中小企業が採用活動と社内の定着施策の両面でどう向き合うべきかを整理します。

退職代行サービスとは何か

退職代行サービスとは、本人に代わって退職の意思を会社に伝え、退職手続きを進める民間のサービスです。弁護士が運営するもの、労働組合が運営するもの、一般企業が運営するものなど形態はさまざまで、価格帯や対応できる範囲(有給消化の交渉や未払い賃金の請求など)も異なります。利用者の年代は20代が中心ですが、50代以上の利用も一定数あり、年齢を問わず「直接会社に言いづらい」という状況で選ばれているのが実態です。

なぜここまで急増しているのか

背景には、転職市場の活況で「辞めても次がある」という心理的ハードルの低さ、SNSなどを通じたサービスの認知拡大、そして何より「引き止められたくない」「気まずいやり取りを避けたい」という心理があります。実際に退職代行業者から退職手続きの連絡を受けた経験がある企業は7.2%、従業員規模の大きい企業では15.7%にのぼるという調査結果もあり、もはや一部の特殊な事例とは言えない広がりを見せています。

採用活動への影響

退職代行の広がりは、採用活動にも直接影響しています。前職で退職代行の利用がわかった場合、「採用しない」と回答した企業は26.0%、「採用に慎重になる」は49.3%にのぼり、合わせて75.3%の企業が退職代行利用者の採用に慎重な姿勢を示しているという調査結果があります。一方で、退職代行を使わざるを得なかった背景(パワハラ的な引き止め、相談しにくい職場の雰囲気など)を一律に「応募者側の問題」として切り捨てることは、本当に自社に合う人材を見逃すリスクにもつながります。退職理由や転職回数は履歴書・職務経歴書や面接で丁寧に確認しつつ、過度なレッテル貼りにならないバランスが求められます。

中小企業が今からできる3つの備え

1. 「言いやすい」退職プロセスを整える

退職代行が選ばれる最大の理由は「直接言いにくいから」です。退職の意思を伝える窓口を直属の上司以外にも用意する、引き止めを前提としない淡々とした手続きフローを整えるなど、社内の心理的ハードルを下げておくことが、そもそも退職代行に頼らせない予防策になります。

2. 入社後のオンボーディングと定着施策を見直す

退職代行の利用は入社後早期の離職と重なるケースも少なくありません。入社直後の不安や孤立感を減らすオンボーディング体制、定期的な1on1や面談の機会を整えることは、退職代行の有無にかかわらず定着率そのものを底上げします。

3. 採用段階でミスマッチを減らす

求人票の時点で業務内容や職場の雰囲気を具体的かつ正直に伝え、面接でも双方の期待値をすり合わせておくことは、入社後の「こんなはずじゃなかった」を減らし、結果的に突然の退職代行対応を減らすことにつながります。

求人票・採用活動で伝えるべきポイント

Indeed・エンゲージ・求人ボックスといった無料求人媒体の求人票では、次のような情報を具体的に記載することで、「言いやすい職場」であることを採用段階から伝えることができます。

よくある質問

Q. 退職代行から連絡が来たら、会社はどう対応すればよいですか。 本人の退職意思が明確であれば、感情的な対応は避け、就業規則に沿って手続きを進めるのが基本です。弁護士や労働組合が運営する退職代行からの未払い賃金請求など、法的な交渉を伴う場合は、早めに社会保険労務士や弁護士に相談することをおすすめします。

Q. 退職代行を使った人を今後採用候補から外すべきですか。 一律に排除すると、応募母集団を狭めてしまうリスクがあります。退職理由や当時の状況を面接で丁寧に確認したうえで、自社に合うかどうかを個別に判断する姿勢が望ましいでしょう。

Q. 退職代行対策として、求人票に書くべきことはありますか。 「退職代行」という言葉を直接使う必要はありません。それよりも、風通しのよさや相談しやすい体制など、そもそも退職代行に頼らずに済む職場であることを、具体的なエピソードとともに伝えることが効果的です。

まとめ

退職代行の急増は、採用する側にとっても他人事ではない社会の変化です。退職代行利用者への採用判断を慎重に行う一方で、自社が「言いやすい」「相談しやすい」職場であることを採用段階から伝え、入社後の定着施策を整えておくことが、結果的に突然の退職代行対応を減らし、長く働いてもらえる人材の確保につながります。

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